すねの内側が痛い!?シンスプリントかも(野球大好き12月号)

もしかして、シンスプリントかも

いきなりですが、以下の2つの質問の答えが「イエス」であった場合、あなたはもしかしたら「シンスプリント」かもしれません。

Q1.ランニングやジャンプをしたとき、すねの内側に痛みが出ますか?(図1

Q2.すねの内側を押したとき、痛みが出ますか?(圧痛)(図2) 

 図1

(図2.圧痛チェック)

「シンスプリント」とは、「弁慶の泣きどころ」とも言われる「すね(脛骨)」の内側に痛みが出るスポーツ障害のことです。

 シンスプリントによる、すねの痛みを我慢して運動を続けていると、やがて走れなくなってしまいます。ひどくなると、病院で疲労骨折と診断されて運動を休止しなければならなくなる例も多々あります。

野球部では、冬トレシーズンになると、体力づくりのために、ダッシュやランニングメニューが増えてきますよね。走る量が増えるこの時期、シンスプリントを発症する選手が増えてきます。

シンスプリントの原因

シンスプリントの原因としては、次のようなことが考えられます。

シンスプリントの原因
  • ジャンプやランニング動作の繰り返し(オーバーユース)
  • 足関節が硬くなっている(下腿三頭筋の疲労)
  • ランニングフォームの乱れ(ひざが内側に入りすぎ)(図3
  • 偏平足(回内足)。土踏まずが少ない(足部アーチの低下)(図4
  • 環境要因(季節、気温、温度、グラウンドが硬い、柔らかい、芝、アスファルトなど)
  • シューズの摩耗(かかとがすり減っている。クッション性が乏しく、衝撃吸収ができない。)
  • 体力不足、筋力不足

(図3ニー・イン、トゥ・アウト)

(図4偏平足・回内足)

(図5かかとのすり減り・鳥居2007)

 

このようなことが原因となって、すねの内側の骨(脛骨)に付いている筋肉(ヒラメ筋、後脛骨筋)が過剰に引っ張られて負担が増加し、痛みを引き起こすわけです。

シンスプリントは、中学、高校生などでスポーツを専門的に行い始めたアスリートや競技初心者に多く発生します。女性の発生年齢がやや早いのが特徴です。(図6

(図6)

Walshの分類

 シンスプリントの重症度分類として「Walshの分類」があります。

ステージ1 運動後の痛みのみ
ステージ2 運動時の痛みがあるが、パフォーマンスに支障をきたさない
ステージ3 運動時痛があり、パフォーマンスにも支障がある
ステージ4 慢性的な痛み、安静時にも痛みがある

シンスプリントのチェック方法

シンスプリントのチェック方法
  1. すねの内側を押して痛いか(圧痛)
  2. ランニングやジョギング時、すねの内側に痛みがあるか

シンスプリントを予防する10のポイント(表2

以下の「シンスプリントを予防するための10個のポイント」を守って練習することで、シンスプリントの原因を軽減することができます。

逆に、これらのケアをしないとシンスプリントが発症し、ひどい場合には疲労骨折になってしまいます。そうなると長い期間、野球が出来なくなるかもしれません。

【シンスプリントを予防する10のポイント】

シンスプリントを予防する10のポイント
  1. すねの内側に痛みを感じたら、アイシングなどのRICE処置を行う。
  2. 練習前後にふくらはぎのストレッチ&マッサージ(下腿三頭筋)
  3. ウォーミングアップ・ストレッチを十分に行う
  4. 足関節、足指のトレーニング(タオルギャザー、チューブ、足の指を開くなど)
  5. 下半身トレーニング(両脚ジャンプ、片脚ジャンプ、スクワットなど)
  6. トレーニングの量、頻度、強度を調整する(個人差を理解する)
  7. 着地姿勢・ランニングフォームの改善
  8. シューズやスパイクの摩耗(かかとのすり減り)チェック
  9. 痛いときは「痛い」と言えるチームの雰囲気を作る
  10. 偏平足(回内足)の場合は、アーチサポートやインソール、テーピングを行う

Walshのステージ2以下では、練習量を制限する必要はありません(表1)。ステージ3以上では、練習量を最初は軽めから行い、段階的にあげていくようにしてください。

練習後のマッサージやストレッチ(図7)は、お風呂上りなどに行うのが効果的です。また、圧痛の強いときは、マッサージを軽めに行ってください。

ベースランニングを、いつもと逆回り(時計回り)に走ることも足の負担を減らすことにつながります。

着地姿勢やランニングフォームは、ひざが内側に入り過ぎないように動作練習をしましょう。また、ジャンプ着地の衝撃を吸収するためには、股関節・膝関節・足関節を深く曲げたスクワット姿勢ができる必要があります。(図8

(図7 ふくらはぎのストレッチ)

(図8 スクワットの着地姿勢)

シンスプリントに有効なストレッチ&テーピングの動画

まとめ

野球の技術練習と同様、体のコンディショニングも毎日の積み重ねが大切です。

シンスプリントにならないためにも、今回紹介した10個のポイントを日頃から実践してみてくださいね。そして、元気なカラダで春を迎えましょう!

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参考文献

  • 八木茂典/下腿のスポーツ障害に対するリハビリテーション/MB Med Reha2015
  • 岡戸敦男ら/シンスプリントの理学療法プログラム/理学療法・2008 
  • 白木仁/シンスプリントのリハビリテーション/臨床スポーツ医学・1996
  • 松井智裕/患者さんに話せるスポーツ障害・第14回シンスプリント/整形外科看護・2014
  • 堀居昭/シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)のメカニズムとストレッチングについて/Sports medicine2004
  • 内山英司/成長期下腿骨疲労骨折、シンスプリントの診断と治療/2006
  • 鳥居俊/ランニング障害とその対策/痛みと臨床・2007 

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