月刊「おきなわ野球大好き」2017年6月の記事です。

ストレッチには、静的ストレッチ(スタティックストレッチ)動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)があります。ウォーミングアップやパフォーマンスアップのためには、静的ストレッチではなく、動的ストレッチの方が効果が高いことが分かっています。

この記事では、いくつかの簡単な動的ストレッチを紹介しています。練習前のストレッチに取り入れてみてはいかがでしょうか。

ウォーミングアップの「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」でパフォーマンスを上げよう

今回は、「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」の効果や方法についてご紹介します。

一般的にストレッチというと、リラックスして、ゆっくりジワ~っと同じ姿勢を保ったまま筋を伸ばす方法を思い浮かべるかもしれません。これは、静的ストレッチ(スタティックストレッチ)と言います。

実は、この「静的ストレッチ」をスポーツのウォーミングアップで行うとパフォーマンスが低下してしまうということが多くの研究で明らかになっています。

競技前に静的ストレッチを行うと、筋力発揮や筋の反応時間、バランス能力などが低下し、パフォーマンスが下がってしまうのです。

なぜなら、ゆっくりストレッチをすることに慣れてしまうと、筋肉の反応(伸張反射)が鈍くなり、瞬発的に大きな力を発揮することが難しくなるからです。

野球の動作で瞬間的に大きな力を発揮できないとなると、結果的にパフォーマンスは下がってしまいますね。

静的ストレッチは副交感神経を優位にし、体をお休みモードにしてくれます。ですから、静的ストレッチが効果を発揮するのは、運動後や就寝前ということになります。

一方、動的ストレッチとは、「伸ばしたい筋肉とは反対の筋肉(拮抗筋)を意識的に収縮させることで、裏側の筋肉をストレッチする方法」です。軽い反動を利用してリズミカルに繰り返します。

例えば、図のような脚上げ。

脚を上げて、もも前面の筋肉(大腿四頭筋)を収縮させると、もも裏の筋肉(ハムストリングス)がストレッチされます。

動的ストレッチの効果には、体幹部の体温上昇、柔軟性向上、筋力向上、安定性向上などがあるとされています。

また、垂直跳びの高さや敏捷性、走行タイム、ゴルフスイングのパフォーマンスなど多くのパフォーマンス向上効果も明らかとなっています。

近年、「ウォームアップには、静的ストレッチよりも動的ストレッチが効果的」という考えは、スポーツ現場でも定着しつつあります。

サッカー界で行われている「ブラジル体操」や「マエケン体操」などは、動的ストレッチですね。イチロー選手も打席に向かう前や外野で守っているとき、常に体を動かしストレッチしています。いつでもボールに反応できる態勢を整えているのでしょう。

ここからは、野球の動きに合わせた動的ストレッチをいくつかご紹介します。

注意点は、反動を大きくし過ぎるとケガのリスクになるので、あまり大きな反動を使わないこと。また、疲労するまでストレッチを行うと逆にパフォーマンスが低下してしまうので、疲れない程度の頻度や回数を行うように調整してください。

動的ストレッチ

体幹ひねり

ポイント
  1. 片脚をまっすぐに垂直になるように上げる
  2. 体をひねりながら脚を左右に動かす
  • 左右交互10~20回×1~2セット

※ひねる時、両肩は床につけたまま。

スコーピオン

ポイント
  1. 片脚をまっすぐ上げる
  2. 足が床につくくらい体をひねる
  • 左右交互10~20回×1~2セット

※ひねる時、両肩は床につけたまま。

股関節回旋

ポイント
    • 足を開いてヒザを立て、両手を後ろに付く
    • 両ヒザを左右に倒し、床に付ける
    • 往復10回×1~2セット

    ツイストランジ

    ポイント
      • 片脚を前に踏み出し、踏み出した脚側に体をひねる
      • 後ろの手で逆側の足にタッチする
      • 交互に脚を出し、歩きながら行う
      • 左右交互10~20回×1~2セット

      スパイダーストレッチ

      ポイント
      1. ゆっくり大きく片脚を踏み込み、足の横に両手をつく
      2. 体をひねりながら片方の手を上に伸ばす
      • 左右交互 10回×1~2セット

      胸郭ストレッチ

      ポイント
      • 胸を大きく張りながら肩甲骨を寄せる
      • 両手のひらを外側に開きながら後ろに引く
      • 背中を丸めながら肩甲骨を開く
      • 両手の甲を前方で合わせるように腕を内側にひねる
      • 往復10回×1~2セット

      肩関節回旋

      ポイント
        • 肩甲骨も動かす
        • 両肘を曲げて肩の高さまで上げ、左右の肩を逆方向にひねる
        • 往復10回×1~2セット

        投球フォーム

        「練習前や試合前は、動的ストレッチ。練習後や就寝前は、静的ストレッチ。」というように、目的に合ったストレッチの種類を選択することが、パフォーマンス向上や障害予防につながります。

        動的ストレッチの大きな効果を知ってしまった以上、これからはいい加減なウォーミングアップはできなくなってしまいましたね。(笑)

        【動的ストレッチのポイント】
        • 動的ストレッチは野球のウォーミングアップに効果的
        • 体温上昇、柔軟性向上、筋力向上、安定性向上効果があり、パフォーマンスアップにつながる
        • 反動を大きくし過ぎると、ケガのリスクになるので要注意
        • 疲労するまでは行わない