今回の内容は、下の動画にもすべて収録しました。
はじめに
ひざ、ふくらはぎ、足首などのケガをして病院に治療に来るスポーツ選手に共通していることがあります。それは、上の写真のように足の指を開いて「パー」ができないことです。
試しに、あなたも「パー」をやってみてください。5本の指すべてを大きく開けますか?
びっくりするくらいできない選手が多いのですが、足裏はとても大事な働きをしている部分です。今回は、足首、足指を中心としたエクササイズを紹介したいと思います。
足裏・足指の役割
「足の裏」は、野球のプレー中、体が地面と接している唯一の部分ですよね。
足の指で地面をつかむグリップ力(足趾把持力)は、バランス能力、歩行速度、最大1歩幅などに関係すると言われています。また、足趾把持力を鍛えることで、足首のねんざが予防できるという研究結果もあります。
足の裏、足の指がしっかりと使えると、パフォーマンスが大きくアップする可能性があるのです。
足の裏、足の指がうまく働かないと・・・
- バランスが悪くなる
- 姿勢が悪くなる
- 力が上手く伝わらない
- ひざが内側に入りやすい → ケガをしやすい
足の裏や足の指の力が弱いと、立っているときのバランスが乱れるため、姿勢も悪くなってしまいます。また、足裏が弱くてバランスが不安定だと、地面からの力を上半身へうまく伝えられなくなるので、ボールを投げたり打ったり走ったりする力も弱くなります。
いくらスクワットをやって下半身を強化したり、上半身をガンガン鍛えたりしても、足の裏がうまく使えなければ100%の力は発揮できないということですね。
田臥選手も実践するタオルギャザーとは?
プロバスケットボール選手の田臥勇太選手は、足を痛めた経験から、ケガ予防のために足指を動かす運動を常日頃から行っているそうです。それが「タオルギャザー」という運動。
- 素足になり、
- 床にタオルを置き、
- 足指の曲げ伸ばしによってたぐり寄せるだけ。
1㎏程度の重りをタオルの端に置くと負荷量が上げられます。 |
両足タオルギャザー
片足タオルギャザー
タオルギャザーをおすすめする人は?
- ねんざをした後のリハビリに
- シンスプリントを患った人
- 偏平足と言われたことがある
- ひざが内側に入りやすい人(ニー・インしやすい人)
- よく足首をねんざしてしまう人
- 足が速くなりたい人
- 力強いボールを投げたい人
- 野球のパフォーマンスをあげたい人
【その他の足指・足裏のエクササイズ】
足指じゃんけん(グー・チョキ・パー)
足指歩行
素足になり足指で床をたぐるようにムカデ歩き。
ゴムチューブを使った足首の内返し、外返し
内返し
外返し
砂浜でのジョギングやダッシュ、はだしウォーキング
「足指パー」が出来ない人も、上記のトレーニングを数週間行うだけで簡単にできるようになります。当院では野球選手以外にも、サッカー、ハンドボール、バレーボールの選手などに足裏トレーニングを指導してきましたが、全員必ずできるようになっています。どれも気軽にできて効果が出るのも早いエクササイズです。
【まとめ】
非常に地味な「足裏トレーニング」ですが、いつでもどこでも簡単にできる運動ですので、ぜひ自主トレーニングにでも取り入れてみてくださいね。
※足裏トレーニングの参考動画はこちらです。
【参考文献】
- 戸田みずきら/野球クラブと剣道クラブに所属している学童児の運動能力の違いについて/理学療法さが・2018
- 相馬正之ら/足指把持力トレーニングがFunctional Reach Testや最大1歩幅、歩行能力に与える影響について/・2012
- 露口亮太ら/男子バスケットボール選手における足趾把持トレーニング期とバランスの変化および足関節の疼痛発生の変化/日本臨床スポーツ医学会誌・2015
- 竹井和人ら/足把持力トレーニングの効果/理学療法科学・2011
- 山本晃永/桐光学園サッカー部が実践している足裏強化トレーニング/高校野球.com・2013
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