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「腸腰筋(ちょうようきん)」を鍛えてパフォーマンスアップ!(月刊おきなわ野球大好き2月号)

はじめに

腸腰筋(ちょうようきん)は知っていますか?

腸腰筋は、人が身体を動かすときに非常に重要な役割を担っている筋肉です。とくにスポーツ選手にとっては、最も大切な筋肉の1つですのでぜひ覚えておいてください。

今回は、この「腸腰筋」の役割とストレッチング・筋力トレーニングの方法をいくつか紹介したいと思います。ストレッチとトレーニングの継続が野球の技術力アップにつながりますので、ぜひ一度試してみてくださいね。

腸腰筋とは

腸腰筋は
  • 「大腰筋(だいようきん)」
  • 「小腰筋(しょうようきん)」
  • 「腸骨筋(ちょうこつきん)」

という3つの筋肉から構成されています。

図1のように、腰の背骨(腰椎)と大腿骨を結んでいる3つの筋肉を合わせて「腸腰筋」と呼ばれています。体の中心の奥深くに位置しているので、「腰・体幹のインナーマッスル」とも呼ばれます。

図1

腸腰筋の役割

腸腰筋は、おもに股関節を曲げるときに働く筋肉です。
姿勢を保持したり、体幹を安定させてバランスをとったりするときにも働きます。

また、スポーツの場面では、

  • 歩くとき、走る際に脚を前へ振り出す
  • 脚でモノを蹴る
  • 身体の軸を作る
  • 下半身の力を上半身へ伝える

などの時にも使われます。
スポーツの基本の動きをする時に働く重要な筋肉ということが分かりますね。

野球動作での役割

 腸腰筋は、股関節を曲げて脚を前に振り出す役割があるので、野球のプレーではとくにダッシュ系の動作で重要になります。
「腸腰筋が太いほど走るスピードが早い」という報告もあるので、足が速くなりたい選手は腸腰筋を鍛えておくと良いですね。

また、腸腰筋が疲労などで柔軟性を失ってしまうと、立位姿勢が崩れたり走る時にストライドが伸びづらくなったりすることも考えられます。
腸腰筋の柔軟性の有無が、球際での最後の一歩やアウトかセーフかギリギリの場面で勝負を分けてしまうかもしれません。

「打つ・投げる・走る」といった動作を安定させるため、腸腰筋がしっかり働くことが高いパフォーマンスを発揮することにつながります。
パフォーマンス低下を予防するためにも、この後に紹介するストレッチとエクササイズを参考にしてみてください。

腸腰筋のストレッチ

練習後や疲労回復にはスタティックストレッチ(静的ストレッチ)が良いとされていて、練習や試合前にはダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)をすることでパフォーマンスが上がると言われています。

ここでは、静的ストレッチ6種類、動的ストレッチ3種類を紹介します。

スタティックストレッチ(静的ストレッチ)

両脚を前後に開き、腰を落としていく。

バランスボールを使うと、骨盤が固定されてよりストレッチが増す(左の腸腰筋)。

反対側のハムストリングスも同時にストレッチする。

脚の内側から腕を入れると、より伸ばされる。

ベッドを使った腸腰筋のストレッチ(左側)。

パートナーストレッチ。(右の腸腰筋)

ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)

胸を張って脚を前後に開き、リズミカルに上下にバウンドします。

身体の側面も同時に伸ばす。かかとにタッチした後に、前方に腕を伸ばす。

片脚を前に出して身体をひねり、反対側のかかとをタッチする。

腸腰筋のトレーニング(4種類)

イスに座って、両側の股関節をゆっくり引き上げる。腰が反らないように注意する。

片脚を立て、反対側の膝を曲げながらゆっくり上げて、ゆっくり伸ばす。

両足同時にゆっくり上げて、ゆっくり伸ばす。

両手を地面につき、素早く脚を交互に引き上げる。

坂道ダッシュも腸腰筋を鍛えるのに良い種目です。

参考文献 & 動画

  • 小柳磨毅/ストレッチング アスリートケアマニュアル/文光堂・2007
  • ブレット・コントラレス/自重筋力トレーニングアナトミィ/ガイアプックス・2014
  • ストレッチ100の基本・増補版/枻出版社・2015

【動画】野球選手のための「腸腰筋ストレッチ&エクササイズ」

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